「香りを楽しむ」お香の魅力や焚き方について調べてみました
「香りを楽しむ」と聞くと、アロマテラピーを思い浮かべることも多いですが、最近は「お香」を楽しむ女性も増えています。
お香って日本古来のどこか懐かしい香りのイメージがありますよね。
奥深い香りと、スッと立ち上る煙は心がとても落ち着きます。
今回はそんな「お香」について調べてみました。
お香とは
そもそもお香とは何なのでしょうか。
お香とは、伽羅・沈香、白檀などの香木の香りのことを言うのですが、実はお線香や焼香、渦巻線香などもお香に含まれます。
古くは飛鳥時代に仏教とともに日本にやってきて、仏教の儀礼などで用いられていたそうで、当初は宗教的な意味合いが強かったそうです。
その後、平安時代になると香りを楽しむためのものとして利用されるようになり、現在よく目にするスティックタイプ(棒状)のお香は、江戸時代の初期に誕生したようです。
お香はかなり昔から親しまれていたのですね。
だから奥深く、懐かしい気持ちになるのかもしれません。
そしてお線香もお香に含まれているとは少し意外でした。
スティックタイプのお香をお線香として利用してもいいそうで、逆にお線香をお香として利用するのも問題ないそうです。
お香の種類
一口に「お香」といっても、お線香も含めその種類や形態は様々なものがあります。
代表的なものをいくつか挙げてみますね。
<インセンス>
洋風のお香でお線香を改良したもの。
フローラル系やハーブ系、フルーツ系などの香りがあり、香水香と呼ばれていて大正時代に日本で誕生したそうです。
<線香>
お仏壇用のお香です。
現在のお線香の多くは「椨(たぶ)」と呼ばれる木の粉に香木や香料の樹皮などの粉末を混ぜて固めているそうです。
<練香>
黒い小さな球体の古いタイプのお香です。
ベースは炭の粉で、香木と香料の樹皮を梅肉や蜂蜜などと混ぜ練り上げているようです。
直接点火はしないで、香炉で熱を加えて使います。
<匂い袋>
植物の香料を刻んで袋に入れた物です。
点火はせず、衣類に香りを移すなどで利用し、防虫効果のある植物を利用したものを「防虫香」と呼ぶそうです。
<文香>
和紙などに香りを入れたもののことです。
点火はせず、お財布などに入れたり、手紙に同封したりすることで香りを楽しみます。
文香のシ-ルもあります。
お香と聞くと火をつけて利用するイメージがありましたが、それだけではないのですね。
手紙や贈り物などに文香を忍ばせておくのもお洒落ですよね。
いつかチャレンジしてみたいです。
お香とアロマオイルの効果の違い
お香とアロマオイルは何が違うのでしょうか。
両方とも香りを楽しむものですが、アロマオイルの方が「アロマテラピー」という言葉があるように芳香療法やヒーリングなどのイメージが強い気がします。
ただ、お香にも植物の香りのヒーリング効果や様々な作用が期待できるようで、鼻から吸った香りは感情や記憶を司る脳に直接繋がるので、お香にしてもアロマオイルにしても心身への様々な効果は同じように期待できます。
形状や使用方法が違うことと、アロマオイルは植物を蒸したり圧搾したりして抽出するのに対して、お香はその植物そのものであることがほとんどなので、香り方も違ってきます。
好みやその日の気分によって、使い分けるといいかもしれませんね。
焚き方や注意点
お香の焚き方にはどのような種類があるのでしょうか。
まず、簡単な方法ではお線香などのスティックタイプやコーンタイプと呼ばれる円錐型のものなら、お香立てにお香を立てて、ライターなどで火をつければいいのですが、実はもっと本格的な焚き方があるのです!
「空薫(そらだき)」「聞香(もんこう)」と呼ばれているのですが、どちらも素敵な名前だと思いませんか?
空薫(そらだき)に必要な道具
- 聞香炉(ききごうろ)
- 香炉灰
- 香炭団(こうたどん)
- 火箸
- 香料(香木、練り香、印香)
空薫(そらだき)の焚き方
①香炉に灰を入れる
②炭を火箸で持ち、火をつける
③炭に火が回ったら灰の上に置く
④炭に灰をかけて、その上に香料を置く
聞香(もんこう)に必要な道具
- 聞香炉(ききごうろ)
- 香炉灰
- 香炭団(こうたどん)
- 火箸
- 銀葉(ぎんよう)
- 銀葉鋏(ぎんようはさみ)
- 灰押(はいおさえ)
- 香料(香木、練り香、印香)
聞香(もんこう)の焚き方
①香炉に灰を入れる
②炭を火箸で持ち、火をつける
③炭に火が回ったら灰の中に埋め込む
④火箸で中心に向かって灰で山をつくる
⑤山の頂点から炭に向かって火箸を差し込んで、火窓をつくる
⑥火窓の上に平らになるように、銀葉鋏を使って銀葉を置く
⑦火箸で銀葉のうえにお香を置く
聞香(もんこう)のやり方
①香炉を左手に乗せる
②右手の親指以外の四本指で香炉を覆い、香りが逃げないようにする
③香炉に顔を近づけ、右手の親指と人差し指の間に鼻を近づける
④ゆっくりと香りを吸い込む
「香りを聞く」だなんて、素敵ですよね。
心身ともに癒されそうです。
お香の煙の害を心配する声もあるようですが、日本で作られている天然の香木を使ったお香であれば心配する必要はないそうです。
ただ、火を使うものではあるので
- 燃えやすい物を近くに置かない
- 安定したところに置く
- 適度に換気は行う
- 隣近所への香害に気を付ける
など注意を払ってくださいね。
白檀、沈香、伽羅
お香には香木が主に使われているのですが、香木とは材そのものに香りがある木のこと。
中でも代表的な香木が白檀(びゃくだん)、沈香(ちんこう)、伽羅(きゃら)の三種類になるのですがそれぞれの特徴を紹介したいと思います。
白檀(びゃくだん)
もっともポピュラーな香木です。
ビャクダン科で、インドやインドネシア、マレーシアなどで栽培されることが多いそうです。
幹の中心部分が強く香り、そのままでもほのかに甘い香りがするため、仏像、扇子、数珠などにも使用されます。
また、サンダルウッドとも呼ばれていてアロマオイルとしても人気が高く、免疫力や、自然治癒力を高めたり、むくみの改善などの効果もあるといわれ、アロママッサージ用のオイルとしても人気です。
空間の邪気を払い、集中力を高める効果もあるといわれていることから、ヨガや瞑想の時間に白檀のお香やアロマオイルを焚かれることが多く、あの独特の深みのある香りは催淫作用があるともいわれています。
沈香(ちんこう)
ジンチョウゲ科で、ベトナム、インド、インドネシアなどで栽培されることが多いそうです。
樹脂が蓄積されることで重みを増し、水に沈んでしまうことから沈水香木、沈香と呼ばれています。
木そのものに香りはなく、何かしらの外的要因によって樹脂が分泌凝固し、そこから香りを放ち、焼香用として使用されることが多いそうです。
伽羅(きゃら)
沈香と同じ木ですが、沈香の中でも最上級の品で、その芳香は格別です。
人工的に作ることは不可能なうえに、産出量が現在はとても少ないため、1グラムで数万円もの価格になるものもあります。
1グラムで数万円とはかなり驚きです!
一度でいいから、その香りを体験したいものですよね。
さいごに
お香、知れば知るほど興味がわいてきませんか?
まずはスティックタイプやコーンタイプなら、気軽に始められそうですよね。
一日の終わりにお香をたいてリラックスする。
深みのある人生に変わっていきそうな気がします。
植物の力を借りて、よりよい人生にしていきましょう!